先月、9価HPVワクチンの男性への適応追加の報がありました。
ご存じのように、HPVワクチンは、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスの感染を防ぐための有効な手段です。日本では小学6年生から高校1年生の女子を対象に公費で定期接種が行われていますが、世界に目を向けると、多くの国で男性も定期接種の対象となっています。
その背景には、男性もHPVに感染し、尖圭コンジローマや中咽頭がん、肛門がんなどの病気を発症するリスクがあること、また、女性へのウイルス感染源となることを防ぐ目的があります。
世界保健機関(WHO)は、HPVワクチンの男女接種を推奨しており、米国や英国、オーストラリアなど男女双方への接種が公費で受けられる国が増えています。日本でも、男性へのHPVワクチン接種の公費助成について議論が進んで欲しいと思います。
院長 山口 龍生